広川峯啓の“笑いま専科”

広川峯啓の“笑いま専科”

2011年02月

2月 10日

品川・山里イジメ問題が電撃的和解!?

1週間前、南海キャンディーズの「山ちゃん」こと山里亮太が、ラジオで暴露した「先輩からのいじめ」告白は、もめ事好きなネットニュースが大騒ぎしたこともあり、たちまち最新の「芸能人バトルネタ」として、WEB上を駆け巡りました。

これまでの経緯は、ネット上で諸々チェックしてもらうとして(超手抜き!)、イジメの超本人と目された品川祐が、炎上したTwitterに嫌気がさし、「Twitterやめます」と宣言したとの二次報道もあり、ここ1週間盛り上がりが持続してました。

ちょうど、麻木久仁子vs大桃美代子の不倫問題も一段落し、タイミング的にも良かったんでしょう。実際問題としてTwitterはメッタなことじゃ炎上しない仕様なんですが、「話はなるたけ盛るべし!」がネットニュースの信条。当然のごとく、某巨大掲示板もお祭り状態が続いてました。

事件発生からちょうど1週間後の9日深夜。事態は劇的展開を迎えます。先週オンエアでの「告白」が巻き起こした騒動を受けて、同じラジオ番組生放送で必死に釈明していた山里の前に、サプライズで品川本人が登場!! ホンモノの「パニック!」状態に陥った山里をよそに、品川は1週間溜め込んだ思いのたけを、電波に乗せてブチまけたのでした。

内容を要約すると「確かに、あの時はヒドイことを言ったかもしれない。でもそれは、スベって落ち込んでいる山里に対する『オレなりの愛情』。イジメではなく、イジリだ」ということ。「それにしても、6年前のことを今になって言い出すんじゃねーよ」と品川が逆にツッコミ入れるなど、番組は(そして騒動も)笑いのうちに幕となりました。

こうして「品川・山里イジメ問題」は一応の決着を見ました。ここで事件を総括してみると、どちらが悪いかということではなく、お笑い芸人ならではのアイデンティティというものが、一連の騒動の中に色濃くかわっている気がします。

品川は芸人だからこそ、番組でスベった山里を手荒くイジり、そうすることで自分なりのエールを贈ったつもりでいた。山里も芸人としてのプライドを持っているからこそ、6年前にスベって傷つき、その傷に塩を塗り込んだ発言を、今も脳裏に焼き付けていた訳です。

タイプは正反対ながら、品川、山里のどちらもが芸人としての強い思いを持っていたため発生したトラブル(?)だったのでは。その点が、普遍的な男女関係のもつれである「麻木・大桃事件」と、大きく違うところなんでしょうね。ちなみに、こっちは第二幕、三幕もありそうですが(笑)。
2月 6日

ピース又吉に感性を揺さぶられよ!(質疑応答編)

又吉直樹×せきしろの第二句集『まさかジープで来るとは』のサイン&握手会が、先日、新宿の書店で開催されました。200人限定のところ、前日には定員が埋まってしまったようで、人気の高さがうかがえます。

サイン会前に行われた囲み取材に登場した又吉は、多忙なスケジュールの中、少し疲れ気味に見えました。ひょっとしたら、あれが普段の状態なのかもしれませんが(笑)。

一問一答の口調も、芸人らしいテンションではないものの、例え平凡な質問であっても、その都度しっかり考えた上で答えてるようでした。芸人仲間からは「暗い」とからかわれることが多いものの、女性ファンからみれば、それって大きな魅力なのかもしれません。

まず「どんな時に句を思いつくのか?」という質問が出ましたが、「いつも何かしら感じているので」という返しに思わずシビレてしまいました。芸人の言うセリフじゃないって(笑)。

そんな思いの中からピースのネタも組み立てていくそうですが、中には「舞台に掛けてもこれは受けへんやろな」と思いつつ、どうにも可愛く思うフレーズがあり、それを表現するのに「自由律俳句」という形式が、しっくり来たとのこと。確かに、一つ一つの句は声に出して笑えなくても、脳内でニヤリとしてしまうものばかり。

確かに、お客さん全員が脳内で笑っても、舞台はスベったような感じになるんですよね。これって何とかならんものかと、筆者も長年年思ってたことでもあり、強く共感してしまいました。


収録されている句の中でいちばんのお気に入りは、という質問に対して挙げたのは

「こんな大人数なら来なかった」

という一句。誘われて仕方なく行ったら、結構人が集まっていて、これだったらわざわざ自分が顔出す必要なかったと思いながらも、帰るに帰れず最後までいるという姿を詠んだもの。誰もが共感できる名句だと思います。

ただ、最後に「相方の綾部さんからは、どんな感想が返ってきましたか?」という問いに対しては「基本的にアイツは字が読めませんから」と返し、芸人トークも十分できるトコを見せつけました。俳人・又吉直樹としての今後の活躍はもちろんですが、一見、噛みあわなさそうなピースの2人が作り出す絶妙な化学反応に、これからも期待大です。
2月 5日

ピース又吉に感性を揺さぶられよ!

着実な活躍が実を結んで、昨年ブレイクを果たしたコンビ・ピース。まったく個性の違う2人のコントラストが、笑いの相乗効果を生み出しているのでは。

そのピースの暗い方(失礼!)こと又吉直樹が、『去年ルノアールで』で知られる文筆家・せきしろとの共著で『まさかジープで来るとは』を昨年末に出版しました。お笑い芸人が小説を出しても、それほど珍しくはなくなった昨今ですが、これはなんと句集。

しかも2009年の『カキフライが無いなら来なかった』に続く第二句集というから、単なる企画物じゃないことは明らかです。俳句と言えば五七五ですが、ここに載っているのは、その形式を離れた自由律というスタイル。一見すると、ただのつぶやきなんですが、じっくり読むと味わいが出てくる「スルメ」見たいな句が集められてます。

一読して笑えるものから、何度か読み返すうちにグッとくる句まで、それぞれバラエティに富んでるんですよ。その中で、個人的に好みの句を挙げると

「雑な起こされ方で一日を棒にふる」
「合法だが非道」
「寸分の狂い無く思い出せる横顔」

などなど。最後の句なんて、めっちゃイマジネーション膨らんできませんか? 読む人によって脳内スクリーンに描かれる映像が、微妙に違ってくるところが、優れた句ならではの特徴のような気がします。

先日、この句集の発売を記念して、サイン&握手会が新宿の書店で開催されました。200名限定だったものの、会場には大勢の女性ファンがつめかけていました。次回は、この模様を詳しくレポートしたいと思います。
プロフィール

hirokawa takaaki

「週刊テレビガイド」「TV Bros.」等の編集者として、客観的な目で見ることのできる立場からテレビと接する。 平成10年 フリーのライターとして独立。依然としてテレビ関係の記事、コラムを中心に活動。数年がかりの仕事として、日本テレビ50年史(非売品)の記事、コラムを共同執筆する。ミーハーさとマニアックさを合わせ持った目線で、ありとあらゆるバラエティを紹介していきます。

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