東日本大震災の発生から10日あまりが経過しました。政府も懸命に対策を推し進め、国内ばかりでなく海外からも救援の手が次々差し伸べられていますが、まだまだ状況は一息つくところにまで至っていません。

明るい話では、芸能界、スポーツ界等から続々と寄付やチャリティの申し出が寄せられています。驚くほどの多額寄付のニュースも流れる中、宮城県気仙沼市で被災したお笑いコンビのサンドウィッチマンには、他のタレントとは一線を画すほどの絶大な支持が寄せられています。

彼らが現地で被災を受けたことは、多くの人が知るところで、帰郷後はテレビ出演やマスコミ取材が集中しました。そこで彼らは、被災地の壮絶な姿を伝えたのに加え、テレビ報道のあり方について、被災者の立場から要望を訴えました。

タレントはテレビの方針に逆らわないもの、という暗黙の取り決めを打ち破った発言は、日本中の視聴者の共感を呼びました。これを機にテレビ報道もセンセーショナルな場面よりも、安否情報に力を入れるようになった気がします。

18日深夜に、スペシャルパーソナリティとして担当した「オールナイトニッポン」では、通常の5倍近い量のメールが寄せられ、その半分は被災地からだったとか。被災者を代表した真摯なメッセージを伝えながらも、間にショートコントを交えるなど、サンドウィッチマンにしかできない心のこもった2時間の生放送でした。

そして4月からは、沖縄を皮切りにチャリティライブを開催する2人。多くの芸人、タレントが彼らに賛同し、チャリティに協力すると宣言しています。これだけの大災害によって、日本中が打ちひしがれている中、どんな政治家よりも、いちばん力強いメッセージを発し活動をしているのがサンドウィッチマンではないでしょうか。

被災を受けた芸人ということだけにとどまらず、多くの人々にメッセージを伝えるパワー、周囲のタレントを引き込んでしまうパワーを、彼らは以前から備えていました。そんなサンドウィッチマンの人間的魅力については、次回のコラムで鋭く迫ってみたいと思います。